海水の色と透明度:透明のときと濁っているとき

サーフィンを毎日していると、今日はちょっと水が緑色/茶色っぽいなー、とか、今日は透明だなー、と感じることがあります。サーフポイントによっても結構な差があります。
いくつか理由がありますが、一番の理由は、植物プランクトンと動物プランクトンのバランス。
植物プランクトン:緑色(種類によっては茶色)
動物プランクトン:透明
植物プランクトンが多くなると、動物プランクトンが増えて、バランスは逆転します。動物プランクトンが多くなるとその逆、を繰り返しますが、一定の季節変動があって、基本的に、サンディエゴの場合、
冬:植物プランクトンが多い(=水が濁っている)
夏:植物プランクトンが少ない(=水が透明)

簡単に言うと、冬の方が表面近い海水の栄養分が豊かで植物プランクトンが多いから、水の色が濁っています。

upwelling(湧昇)とは、海底付近のsediment(堆積物)が溶け込んだ栄養豊かな海水が、表面付近に湧き上がることを言います。
冬の方が、風と温度の二つの理由により、upwellingが強くなって、その結果、水の色が濁ります。

                                    • -

風によって、岸と並行の流れ(longshore current)が生じます。
冬:北西の風によって、岸と並行に南向きのlongshore currentが発生。
夏:南西の風によって、岸と並行に北向きのlongshore currentが発生。
「Ekman transport(エクマン輸送)」と呼ばれる現象により、北半球の西海岸では、以下のようになります。
・南向きのlongshore currentが発生すると、表面に近い海水が、沖に向かって流れるため、海底に近い海水が表面に湧き上がる(upwelling)。
・北向きのlongshore currentが発生すると、表面に近い海水が、岸に向かって流れるため、表面に近い海水が海底に向かって沈む(downwelling(沈降))。

                                      • -

表面から海底に向かって、急激に温度が変化する層のことをthermocline(サーモクライン:水温躍層または変温層)と呼びます。
表面に近い層と、海底に近い層の温度差が小さい(=thermoclineが弱い)冬の方が、upwellingが発生しやすくなります。

                                      • -

水が透明だと海が豊かな気がしますが、必ずしもそうは言えなくて、
水の色が透明=植物プランクトンが少ない=酸素が少ない=肥沃な海ではない、です。